円形脱毛症の症状
初期症状
円形脱毛症が発症して脱毛が始まると、脱毛部位には特徴的な髪の毛があらわれます。
髪の毛の根元付近で切れてしまっていて触るとチクチクすることもある「切断毛」や、髪の毛が『!』の様に根元に向かって細くなり時には折れてしまっている「感嘆符毛」、伸びていない髪の毛が毛穴の中に黒い点状に埋まっている「毛包内黒点」などです。これらの現象が前触れもなく突然あらわれたり、健康な髪の毛の中に突然はっきりと地肌が露出するような円形の脱毛部位が認められたりする場合、円形脱毛症である疑いが非常に強くなります。
円形脱毛症を発症すると、髪の毛以外では爪に異変を生じる場合があります。非常に特徴的なものとしては爪の表面に小さな点のようなへこみが直線的に並んで現れるというものがあり、他にも横に溝ができる、爪がもろくなるなどの変化が生じたりします。爪の変化は円形脱毛症患者の約25%に見られるといわれ、脱毛部位の変化とあわせて円形脱毛症の発症の目安とする事ができるでしょう。
これらと合わせて、自身がアトピー性疾患(アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など)を持っていたり、脱毛する原因が思い当たらず突如として髪の毛が抜け始めたりした場合、円形脱毛症である疑いはさらに強くなります。
円形脱毛症の進行
脱毛面積が少ない単発型や、多発型でも脱毛箇所が少ない場合では、治療をしなくても数カ月〜1年程度で自然に回復する場合が多くあります。アトピー素因を持っていなければ、これらの比較的軽度の円形脱毛症では約80%の人が1年以内に再び髪が生えてきます。このような事実が最新の研究で明らかになってきたため、皮膚科の専門医の中にもまずは自然回復を待ちましょうという診断をするケースが増えています。 しかしその一方で円形脱毛症は再発を繰り返す事も多く、長期的な円形脱毛症に悩まされている人が存在する事も事実です。繰り返し発生する円形脱毛症や脱毛箇所が多かったり範囲が広い円形脱毛症に対してはしっかりと治療をしていく必要があります。
円形脱毛の約15%は全頭脱毛症や汎発性脱毛症へと脱毛範囲が拡大してしまう事がわかっています。円形脱毛症は症状が長期化したり脱毛範囲が拡大してしまった場合や、15歳以下の子供の場合、全体としては少ないものの子供に発症する割合が多い蛇行性脱毛症の場合も、回復率が低いことが知られています。
蛇行性脱毛症は、おでこからこめかみ、耳のまわり、うなじなど、髪の生え際のあたりに帯状に発生する脱毛症です。既存の治療の効果が出にくいため、新たな治療方法の研究が続けられています。
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